講師/鈴木 貴大

Lecturer/Takahiro Suzuki

専門分野:社会的意思決定,コンフリクトマネジメント
Social choice theory, game theory
担当講義:基礎プロジェクトⅡ、フィールド演習
研究業績等(Researchmap):https://researchmap.jp/takahiro_suzuki

2012年東京大学工学部社会基盤学科卒業,2014年東京大学大学院工学系研究科修士課程修了,2017年東京大学大学院新領域創成科学研究科博士課程修了(PhD),2017~2020年国土交通省国土技術政策総合研究所社会資本マネジメント研究センター社会資本マネジメント研究室研究官,2020年より東京大学大学院工学系研究科社会基盤学専攻助教

Takahiro Suzuki is currently an Assistant professor at the Department of Civil Engineering, The University of Tokyo. He received a PhD from The University of Tokyo in 2017 and subsequently worked as a Researcher at Construction and Maintenance Management Division, Research Center for Infrastructure Management, National Institute for Land and Infrastructure Management, Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism until he moved to The University of Tokyo in April, 2020.

研究テーマの概要と目標

 社会の重要インフラを含む社会基盤事業。その計画・調査段階から供用・維持管理に至るまでには、段階ごとに多様な利害関係者や制約、規範などが存在しており、「いかなる情報に基づいて、どのように決めたらよいのか」という「決め方」自体が難しく、しばしば合理的に決めることが困難な問題となっています。私たちは、社会的意思決定におけるこうした「決め方の決め方」(メタ決定)の問題に対し、「社会的意思決定理論」を用いた理論研究に取り組み、規範的な意思決定手法の構築を目指しています。また最近は、「ゲーム理論における均衡選択の問題」や「協力行動の評価の問題」といった新しいテーマにも取り組んでいます。

現在の研究に携わることになったきっかけとは? 

決め方、決め方の決め方、さらにその決め方……と無限に遡る「メタ決定の問題」。実は哲学や経済学を含め様々な学術分野で少しずつ違う言葉で語られてきた古典的な問題です。私はこの「メタ決定の問題」を当時の恩師の勧めもあって大学院時代から取り組んできましたが、こうした問題の抽象性・普遍性が自分の気性に合っていたのだと思います。

ゼミの特徴や魅力、学生とのコミュニケーション

ゼミの特徴には「研究テーマ・手法の多様性」が挙げられます。実際、自分でテーマを探してもらうことで各自が様々なトピックに取り組んでおり、理論から実証・実践に至るまでアプローチも様々です。自分の強みを生かしつつ、多様な視点を学べるのも当ゼミの魅力と言えるでしょう。
 新しく配属された4年生向けの勉強会を担当していますが、最初はきっと分からないことばかりでしょう。そこで「研究とは何か」といった基礎的なところから入り、各自のテーマが見えてきて、やがて本格的な活動に進んでいくまで、研究に馴染んでいきやすいような場を作ることを心掛けています。当研究室ではまた、皆さんに「手を動かしてもらうこと」を大事にしています。

期待する学生像と本研究室での学び

私自身も当研究室の卒業生でした。配属当時は、研究したいテーマもまだ固まっていませんでしたが、勉強会などを通じて幅広い研究に触れていくうちに、数理的なアプローチに惹かれ、研究を進めていったものです。当研究室に進もうと考えている学生の皆さんにも、この場で体験できる研究の楽しさを感じてほしいですね。

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